受講体験レポート のカテゴリ

公開講座 体験レポート

文教大学「江戸の町人社会 -持続可能な社会の実践者たち-」

 通勤バスの車内広告を見て驚いた。それは生涯学習講座の案内だった。江戸文化を教える講師の欄に、地理の研究者の名前を記していた。
 私は学生時代、地理学を専攻していた。だから、歴史学に対しては、親近感とともに近親憎悪のような感情も抱いている。今まで聞いた江戸時代の話はどれも、興味は湧くものの、どことなくリアリティーを感じられずにいた。文献をもとに時間軸に沿って研究する歴史学に対して、地理学は現場に赴いて現在の空間を研究する。地図と野帳を手に、野山や街中を歩きまわっていた学生時代、古文書を読み解く史学科の連中の論文は、時代小説と紙一重とも思っていた。
 地理の目で見ると、江戸時代という歴史上のスポットはどう映るのだろう。そんな興味がわき、受講することに決めた。


65DSCF0847.JPG

Figure 1 教室の入り口。これから講義が始まる。


 講師となって教えてくれたのは、ダンディーな印象の先生だった。
「僕は地理が専門でして」
と前置きして、江戸時代の神田の地図を配った。
「パソコンを準備している間に、この地図のなかから、職人に由来する町名を丸で囲ってください」
と話した。地図を使っての作業から始まるところが、さすが地理の先生だ。
 江戸時代の神田の街には、「瀬戸物町」「蝋燭町」など、職人に由来する地名がたくさんあった。それは、江戸の町に、いかに細かく分業化された職人が暮らしていたかを示していた。
 その頃の職業がどれだけ細かく区分されていたかというと、例えば、扇子の紙を折るだけの職人がいたということでもわかる。紙を折ったら、ついでに骨に貼ればいいのに、と思うところだが、江戸っ子はそんな野暮なことはしないらしい。紙を骨に貼るのは、別の職人がいたのだ。


66DSCF1728.JPG

Figure 2 江戸時代の神田の地図


 これらの職人と職人を結ぶ製造ラインが、問屋の手によって江戸の町に縦横に張り巡らされていた。それが、神田の地図で職人の町名として現れていたのだった。
 こういう分析の方法は、地理学ならではだ。東北の自動車部品が愛知県の組み立て工場に集められて、自動車が出来上がっていく。地理学ではそんなふうに調査する。それを、江戸の町で展開してくれた。
 そして、この分業化された職人の技が、文明開化を経て、現代の日本の製造業へとつながる、と講義では教えてくれた。
 工業だけではなく、江戸の農業も形を変えて、いまの都市農業として受け継がれているという。
 講義によれば、江戸の農業には、肥料にする糞尿という「商品」があったという。江戸の町の糞尿を集め、農村部に還元するシステムができていた。都市と農村で、農作物と肥料とが循環していた。現代では化学肥料が導入されたため、有機的な循環がなくなってしまった。その話を聞いたとき、「都市農業」という言葉が急に薄っぺらいものに感じてしまった。
 こんなふうにして、講義では現代と江戸時代とのつながりを意識させてくれた。江戸時代から形を変えて21世紀の今につながっているものがたくさんあること、そして、惜しくも受け継がれてこなかったものもまた山のようにあることを、教わった。
 もう一つ、この講義の面白かったところは、ビジュアル面である。講師の先生は、文献から探してきた江戸時代の本の挿絵を、スライドで次々に投影した。自ら着彩したものも少なくない。時代劇とはちがうリアリティーで、江戸の町が教室によみがえった。
 ほかにも、落語や判じ絵(絵ヒントクイズのようなもの)なども紹介してくれた。江戸の暮らしが、楽しみながら理解を深められた。


67DSCF1732.JPG

Figure 3 江戸判じ絵の資料 イラストはすべて江戸の地名を示している。


 地理の目で江戸時代を見てみたら、150年の時間が実はつながっていることが分かった。アメリカや中国が、交通や通信、物流で海や空を超えて我が家の茶の間とつながっているように、江戸時代の工業も農業も町人文化も、今の世の中とつながっていた。
 3週間にわたった講義を終えたあと、江戸がぐんと身近に感じられるようになった。江戸時代が150年前の世界ではなくて、電車に乗って1時間ぐらいで着けそうな世界に感じられてきた。歴史を地理の目で見られたおかげだろう。


(文責:オフネスキーまるいち 50代・男性)

鶴見大学生涯学習セミナー「古典芸能を体感してみませんか 敗者の声をきく」

%E7%94%9F%E6%B6%AF%E5%AD%A6%E7%BF%92%E3%82%BB%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%BC%E5%8F%97%E8%AC%9B.JPG


 2018年10月1日(月)に「古典芸能を体感してみませんか 敗者の声をきく」を受講しました。
 当然かもしれませんが、若い頃は古典芸能(能)には何の興味も持っていませんでした。そのうち雅楽の調べを聞いて、なんとなく古典芸能に興味が出てきました。しかし、歌舞伎でも同じですが独特のセリフやリズムにはついていけず、気にはなっても特に何もせず過ごしてきました。
 還暦も過ぎ会社も定年退職したので、若い頃から新しい知識を得るのに興味があったので大学や自治体が開催している各種生涯学習講座を受講し数年経過しました。その間受講した生涯学習講座の中には、自分が思った内容と違ったものもありました。でもこの講座は、1日講座であったので受講してみました。


 講座は、400名位入れる会場で開催されました。参加者数は、40名程度でその内2/3位は女性でした。参加者の多数は受講経験者のようで、私のような初めての人はほとんどいませんでした。尚、写真は撮影・録音が禁止されましたので講座会場の案内板です。
 この講座は、能について三つある講座(仕舞の初級/中級と揺(うたい))の合同講座でした。講師は、能楽師二人(喜多流・シテ方と下掛宝生流・ワキ方)とコーディネーターの三人でした。
 最初の30分間は、コーディネーターが古典芸能についての考えを話されました。その後コーディネーターが能楽師に演技についての体験談や失敗談・苦労話等次々に質問し能楽師がそれに回答するという対話になりました。その中で、シテ方とワキ方の役割の違いや流儀の違い(流儀は、シテ方は五つ、ワキ方は三つあるとのことです)等の説明があり、またプロでもいろいろ苦労されていることを話されました。
 1時間経過した後5分程度の休憩を取りその後能楽師の演技・説明が1時間続きました。演技は、ワキ方の隅田川と平家物語の藤戸、次にシテ方とワキ方での羽衣白龍でした。能については、多少テレビで見たことがありましたが、生の能楽師の声を初めて聞きました。その力強い声量には驚きました。相当腹筋を鍛えていないとあのような声を出せないと思いました。また、独特なリズムや口調も心地よいものでした。でも意味は理解できませんでしたが。


 能楽師から能を楽しむ為に次のアドバイスがありました。
 ・能の面白味を得るには、あらすじ・ストーリーを事前に調べておく。
 ・わかろうとするのではなく、何かを感じてもらいたい。
 ・自分も参加しているつもりで観る。
 ・舞台の空気を共有する。
 ・演技後の拍手は余韻を残すためしない方がいい。
 等々


 いつもなら2時間の講演はたまに眠くなることがありますが、今回はあっという間に時間が過ぎました。


 能についての知識が少ないのでまだ敷居が高いという感じですが、今回の受講で多少は理解でき、今後能を観覧したり講座を受講してみたいと思いました。能は謡(うたい)と囃子(はやし)を伴奏に舞踊的な所作でストーリーが展開する歌舞劇で、継承されている演劇としては「世界最古」といわれています。また、ユネスコの世界無形文化遺産に指定されています。能は、猿楽や田楽から能になり、それが歌舞伎等に変化していったとのことです。郷土芸能は後継者がいなく廃れていっていますが、日本の古典芸能は世界にも誇れるものと思いますので、いつまでも受け継がれてもらいたいと思います。
                                    以上

(文責:すすいが 60代・男性)

セカンドアカデミー公開講座「Japanリベラルアーツ入門~神話と芸能~」

2018年9月5日、セカンドアカデミー(株)と丸善雄松堂(株)が主催する公開講座 「Japanリベラルアーツ入門~神話と芸能~」を受講しました。講座の告知を知ったとき、「リベラルアーツ」と「神話」というふたつの言葉に惹かれて申し込みをしました。


「リベラルアーツ」は最近流行っている言葉で「教養」と訳されることが多いようですが、自己を様々な束縛から解放して生きるための力を身につける学問と理解しています。人類は科学技術の進展によって様々な利便性や快適性を手に入れる一方で、自然環境破壊、原発問題など新たな課題を生み出してきました。人類がこれらの現代的課題に立ち向かうためには、分野ごとに専門化された知識や技術を集めただけでは最適な解決につながるとは限りません。部分最適を寄せ集めても全体最適にはならないということです。人文科学、自然科学、社会科学など多方面にわたる分野を横串にした知識や考え方が必要となります。まさに今、リベラルアーツが求められる理由がここにあると思います。
そしてもうひとつの「神話」という言葉。古代史の勉強には古事記や日本書紀を読むことが欠かせないのですが、これまで古代史を独学で勉強してきた私は実は記紀神話に関する専門家の話を聴いたことがありません。この講座で専門家の話を聴いてみたいという思いと、リベラルアーツをタイトルに据える講座で語られる古事記は単なる解釈論ではなくて何か面白そうな話が聴けそうだとも思いました。


さて、講座は前半が麗澤大学の岩澤先生の「古事記から読み解く日本人の思考法」、後半が清泉女子大学などで講師をされている武藤先生の「歌舞伎の表現-音を見る・動きを聴く-」という2部構成でした。


第1部の岩澤先生のお話はユダヤ・キリスト教神話と古事記神話を比較することで、英語文化圏の人々と日本人の間に横たわる民族性の違いや思考法の違いを浮き彫りにして (日本人を単一民族と考えることの是非はともかくとして) 日本人とはどういう民族なのかを解き明かそうとするものでした。その解明プロセスが大変ロジカルでわかりやすく、まさに論理性や言語化を重視する英語文化圏で学ばれた先生ならではのわかりやすいお話でした。
 ユダヤ・キリスト神話の創世記において神は天地や人間、その他この世の全てを創造しました。翻って古事記神話の始まりをみると、「天地(あめつち)初めて發(ひら)けし時」と天地がどのようにできたのかは記されず、次いで「高天原に成りし神」として天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神の三神がどこからともなく出現します。そしてこの三神を皮切りに次々と神様が生まれ、その神々が日本の国土や山川草木などこの世の様々なものを生み出していきます。しかし人間は神様の子孫として描かれています。
このように両者を比べると、神話のスタート時点から大きな相違点を見出すことができます。創世記において神はこの世のすべてのものから超越したものとして初めから存在し、その神が天地を皮切りに人間を含むこの世の全てを造り出しました。この明快な神話に比べて古事記では、天地がどのように出来上がったのかがわからず、神様もいつのまにかそこに存在しています。この曖昧さはまさに日本人特有だと思いました。先生によるとユダヤ・キリストの神様は「創造の神」で、古事記神話の神は「生成の神」であるといいます。なるほど、「造る」と「生む」の違いか。





 次に第2部の武藤先生からは歌舞伎の楽しみ方を伝授いただきました。先生のお話を聴いてこれまで全く興味のなかった歌舞伎に初めて興味を持つことができました。武藤先生によると、歌舞伎の楽しみ方は黒御簾(くろみす)音楽に集約されている、話の筋や内容を知らなくても、演技に合わせて演奏される黒御簾音楽を聴くことが歌舞伎を楽しむコツだというのです。実際に舞台の映像を見ながら、黒御簾音楽を聴きながら解説してもらってその意味がよくわかりました。「音を見る・動きを聞く」というタイトルの意味も理解できました。そして、歌舞伎を観てみたいと思うようになりました。単なる食わず嫌いであった自分に気付いたことは大きな収穫でした。




 今回の講座は講座ひとつあたり50分、質疑応答も入れて全部で2時間でした。どちらの講座も興味深く、もう少し聴きたかったというのが正直なところです。


(文責:小嶋浩毅)

五感で感じる ~ 縄文と弥生が交わる時代の神々と暮らし

 2017年8月5日、麗澤大学オープンカレッジ(ROCK)の特別講演会を聴講しました。


 聴講したのは、麗澤大学教授でROCKカレッジ長の岩澤知子氏の、「『神道』を捉えなおす~諏訪から見た日本のカミ信仰」の講義。


 古代史ファンを自称する私にとっては、そそられるタイトル。諏訪といえば、国譲りを経て、出雲の神であるタケミナカタが開拓した地でもあり、また、諏訪大社の御柱は、新規事業を立ち上げるに通じるということで、知る人ぞ知る、全国の事業家が訪れる地でもある。私も2度にわたり、上社・下社を巡っている。


 岩澤氏の講演は、古代~ちょうど、縄文と弥生が交わる、そんな時代を、五感で感じることができる場(空間X時間)であった

DSC01974.JPG


 「イ・チ・ヒ」と、自らと会場の受講生が声をあげる。「イ」とは息・気・生のことであり、「チ」は力・霊。「ヒ」は日・火・霊。原始の言葉は、一音であったが、「イ」と「チ」が、ある意味、必然的に組み合わさり、「イのチ=命」という言葉が生まれる。


 人は死ぬが、命の再生として生があり、それはすなわち性である。縄文の人々の、そんな命の再生の儀式が、つい最近まで縄文の神の血を継ぐ守矢氏にて執り行なわれていた。御室(みむろ)神事・御頭祭(おんとうさい)と言う。冬至の頃、地面を掘って作った御室の中での再生儀式、75頭の鹿の生首でミシャグジ(古熊の神)を降ろして行なう饗宴。それぞれの儀式の名前は忘れても、この場で感じた、血の肉の味と香りは、忘れることは無いだろう


 一方、「政」を執り行う弥生系の金刺氏(タケミナカタの子孫でしょうか?)は、豊穣を祈る稲作の神「諏訪大明神」となるのであるが、それでも、縄文系の守矢氏の「祭」は「政」にとって、欠くことのできないものであったという。


 その守矢家は現在も続いており、立派な屋敷の奥には祠がある。今でも祠には鹿の頭蓋骨や栗などが供えらる。日本は凄い。縄文時代の家系やしきたりが延々と継がれている。古事記や日本書紀に記載されていない記憶や伝承も残っているに違い無い。


 岩澤氏は、時代を経るにしたがって縄文系の神は、弥生系の神にその牙を抜かれていったと言う。人々が野生から切り離されていく中世になって、かつての血沸き肉踊る生と死と再生の営みを思い起こすために、あの「御柱祭」が復活したと言う。


 後半は、昨年執り行われた数えて7年に一度の「御柱祭」への潜入レポート。DVDから聞こえる木遣り唄と進軍ラッパ。場面は縄文から現代の諏訪に変わる。茅野のパッピに着替えた岩澤氏が、豊富な画像付きで自らの御柱体験をレポートする。そこから導きだされた説には、さすがに説得力がある。縄文の血なまぐさい匂いと映像の進軍ラッパが交差する。まさに、視覚と音、匂い、体、そしてエロスの五感で感じる縄文と弥生の出会いの場であった。


1234.jpg


 私も今年59歳。「実地踏査」と称して、日本各地の神話の地を友人と巡るのが趣味である。断片をかじりながら、古代史の全体像を構想(夢想)している。とは言え、人生100年計画と言われる昨今、残り40年は、表層をなぞりながら各地を巡り続けるには時が長すぎる。
 今日の講演で、岩澤氏がボストンで哲学を学び直した話などを聞くと、男50代、日本の地でのたかだか数年間。今のうちに大学でこの分野を深く学び直すのもいいかもと思った。


 麗澤大学オープンカレッジ(ROCK)では「豊かなアクティブシニアライフ」の為の「知の協創の場」を目指すという。その場での楽しみに留まりがちな、各大学の生涯学習であるが、一歩突っ込んで「知の協『創』の場」を目指したいという岩澤カレッジ長の強い思いを感じた。

2017年後期のROCK特別講演会 
井沢元彦氏・川口マーン惠美氏・塚田真希氏・石 平氏


男50代からの古代史構想学

実地踏査を同行する友人の体験ニュース


<文責:セカンドアカデミー株式会社 佐々木偉彰>

美の原点発見「源氏物語」の香と色と言葉

BUNKAファッション・オープンカレッジ『美の原点発見「源氏物語」の香と色と言葉』を受講しました。


文化服装学院は、NHKの朝ドラ「カーネーション」で紹介されたように、コシノ姉妹を初め世界で活躍する数多くデザイナーを輩出している学校ですが、そんな有名校で、誰でもが学べるのが、BUNKAファッション・オープンカレッジです。


今回のテーマは、「香染」。


講座は、香りの老舗「日本香堂ホールディングス」特別顧問である稲坂良弘先生の、香の基本講義から始まりました。


「香は、聞くものであり、纏(まと)うものである。」というプロローグ。沈香や白檀といった香木の種類、香木のでき方。飛鳥・奈良時代の「香伝来」、平安時代の雅な使い方、鎌倉時代の武士の利用、室町時代の「香道」確立、江戸時代の隆盛までの香文化の変遷。等々を、説明いただきます。
先生は、劇作家、CMディレクターとしても活躍とのこと。よどみのない名調子に、その場面が目に浮かびます。


a.jpg


そして重なり合うテーマの、「源氏物語」の説明に移ります。「源氏物語」が宮廷内の読み聞かせによって発表の場を得ていたこと、また、男女の出会いと別れの機微のほか、身分や性格、心理状態などを読み解くパスワードとして、「香」が、数多くの場面で使われていること、を解き明かされます。


「源氏物語」は、千年も昔の「香」を一緒に聞くことで、千年も昔のその男女の気持ちと共感し、同情することができます。「文字」から見える物語に、「香」という五感の一つも加わった劇空間として楽しむことができました。


続いて、世田谷の他、奄美大島でも香染工房を持たれている佐藤幸香先生より、いよいよ「香染」の説明です。香りから美しい色を導き出し絹糸に染め、衣にして身に纏えば、体温であたためられたその色からは再び元の芳香が漂うという「香染」の存在は、「源氏物語」で語られています。佐藤先生は、この「香染」を現代に再現した日本で唯一人の染織作家です。


普通の草木染めは植物の葉や根を煮出すのですが、「香染」では香が飛ばないよう、香と水で染(し)める=浸す、ことで色を出すらしい。母が娘にその工法を伝え、娘は思う人のため、気持ちを込めて色(香)を染める。香色の種類に、「焦がれ香」があるが、今ではこげ茶色と言われているが、「焦がるるまで染める」という気持ちを元々は表すものであったといいます。


一部を水でぬらした、「香染」で染めた糸の束を回覧して下さいました。乾いている部分は香りがしませんが、ぬれた部分は香りがします。体から出た汗が、香染の糸を濡らし、芳香が漂います。すれ違う相手に、追い風を用意するって、こと。なんて素敵な文化でしょう。


b.jpg
c.png
d.jpg


感動したのが、染め方を尋ねた受講生の質問に答えた、佐藤先生の言葉。
「その時にめぐりあった時、瞬間の、『草木が出したい色』を出しなさい。」

ああ、日本の匠です。


(当時の香文化を表す『枕草子』の一節)
e.png


心ときめきするもの
よき薫物(たきもの)たきて、一人臥したる
頭洗ひ、化粧じて、香ばしう染(し)めたる衣など着たる
ことに見る人なきところにても、心のうちはいとをかし。


※香りは、紫式部や清少納言ら宮廷の女官たちのマインドフルネスとしても、機能していたのですね。


大学の公開講座で「源氏物語」は定番で、実際に学んでいる方もいらっしゃると思います。受講している講座とあわせて、当講座で、色と香のパスワードの基本知識を学んでおくと、随分と鑑賞に奥行きと幅が出るのではないでしょうか。
また、これから読んでみたいと思っている方(私もそうですが)は、当講座を受講すると、源氏物語の読み方・楽しみ方が格段に高まるでしょう。お勧めです。


※今期に受講できる残りの講座(1回ずつでも受講可)

美の原点発見!「源氏物語」の香と色と言葉


11月15日(火) 10:30~12:00


http://www.second-academy.com/lecture/BFG10084.html


1月31日(火) 10:30~12:00


http://www.second-academy.com/lecture/BFG10083.html


※大学で受講できる「源氏物語」一覧


http://www.second-academy.com/lecture/lecList/?keyword=%E6%BA%90%E6%B0%8F%E7%89%A9%E8%AA%9E&srchType=and&log=1


(文責:セカンドアカデミー株式会社 佐々木偉彰)

体験受講レポート~自由学園明日館に行ってきました!~

 こんにちは、セカンドアカデミー・スタッフの米川です。
 2012年10月23日(火)、西池袋にある自由学園明日館にて、「日本建築を知っていますか?―これは見ておきたい東京・神奈川の名建築―」を受講しつつ、重要文化財である自由学園明日館の建築を堪能してきました!


自由学園明日館とは

 自由学園明日館は、特色ある教育で有名な自由学園(東京都東久留米市)の創設時の校舎で、巨匠フランク・ロイド・ライトの設計による建築です。1921年(大正10)の建設以来、関東大震災や戦災にも永らえ、今となっては、東京に唯一残るライトの作品となっています。
 現在は、池袋駅から徒歩5分、目白駅からも7分という好立地を活かし、同窓生の事業活動の拠点、公開講座などの社会貢献の場として活用されているほか、会合やウェディング会場として一般への貸し出しも行われています。
 また、都心に残る戦前の貴重な建築ということもあり、映画やドラマのロケにもたびたび使われています。

<日中の風景(提供:自由学園明日館様)>
%E5%A4%96%E8%A6%B3%E6%97%A5%E4%B8%AD.jpg

%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB.jpg



名建築の中で聴く、建築講座!

 今回受講した『日本建築を知っていますか?―これは見ておきたい東京・神奈川の名建築―』は、講師の松﨑照明先生(日本建築意匠研究所・代表)が選び抜いた、「これだけは見ておきたい名建築」を紹介する講座で、自由学園明日館の人気講座の一つです。

DSC00573.jpg

 これまで国内各地域を取り上げ、今期は全3回で「鎌倉→横浜→東京」と北上していきます。時代や作家ではなく、地域という括りで、古建築から現代建築まで取り上げるため、歴史好き、社寺建築好きの方から、近現代の建築に関心のある方まで、幅広く楽しめる内容となっています。

 実際、会場は、幅広い年代・性別の受講者で、満席の状態でした[写真]。

DSC00558.jpg

 初回の鎌倉は、鎌倉時代の都市づくりの話にはじまり、戦後の作品である神奈川県近代美術館まで、鎌倉に立地する多くの建築が紹介されました。

 講義では、
  • 鶴岡八幡宮は、もともと海側にあったものを、源頼朝が、都市計画の一環として山側に移した
  • 鎌倉の社寺は、多くは江戸期の再建で、中世のものはほとんど残っていない
  • 建長寺などの禅寺は、当初は中国の禅寺の様式に則ってつくられていた
  • 神奈川県近代美術館は、異なる時代、作家による本館・新館・別館の差異を見比べると面白い
     etc.
 といったお話を通して、たんに社寺めぐり、旧跡巡りをしているだけでは得ることのできない、「時代性を踏まえて正しく建築を鑑賞する視点」が養われます。  また、後半には、先生が撮影された写真を使って、個々の建物ごとに、様式の解説や、実際に訪れた時の注目ポイントの紹介も行われました。聴いて「なるほど」だけではなく、実際に訪れて、自分の目で確かめたくなってきます。

 しかも、その講義を、趣ある重要文化財の中で聴けるのですから、建築やデザインに関心のある人にとっては、たまらない時間です。

<今回の講義会場、中央ホール>
DSC00564.jpg

<館内に掲示されている重要文化財指定書>
DSC00570.jpg


おわりに

 自由学園明日館では、この講座に加え、「ブルーノ・タウト、生涯と作品」、「ライトと日本」、「ライト、レーモンド周辺の人と建築の話」、「歴史的建物を見て歩く」、「美術館建築の楽しみ」、「見学・自由学園美術工芸教育発表会」、「四季折々の自由学園-遠藤新の建築」、「建築写真のコツ」と、建築・デザイン分野の講座が、今期だけでも9つも開講されています。

 ,また、他の講座も芸術・教養系の講座から、生活・実用まで、幅広く用意されています。
 教室が芝生を囲む開放的な雰囲気もあってか、朗読やコーラス料理、体操などの参加型の講座は特に人気です。

 公開講座のほか、喫茶付きの館内見学も可能ですし、定期的に一般向けのイベントも開催されています。ぜひみなさんも一度訪れてみてください!

(リンク)
 → セカンドアカデミー・自由学園明日館特集
 → セカンドアカデミー・自由学園明日館の募集中講座一覧
 → 自由学園明日館 WEBサイト
 → 自由学園明日館 facebookページ



↑ページの先頭へ

Copyright 2010 Second Academy Co.,Ltd All rights reserved.