上智大学「気候変動、生物の絶滅、私たちの生活」
私は大学生ですが、今の大学から他大学への編入学を考えています。編入学とは、その学校に在籍していなかった人が第2学年以上の学年に、他大学から入学することです。私は経営学部に所属していますが、入ってみてあまり自分の興味のある分野では無かったことに後悔していました。そんな中、教養の授業で学んだ環境問題について興味が湧き、環境系の学部への編入を決め、勉強を始めました。ですが、独学では難しく、あまり勉強が進みませんでした。そこで、環境問題に関する公開講座を受けてみようと思いました。セカンドアカデミーで検索し、見つけた講座がこの上智大学で行われた「気候変動、生物の絶滅、私たちの生活」でした。
講座は全員で20名ほど受講しており、ご老人やサラリーマンの方など様々な方が受講していました。50代以上の方が多かった印象です。皆さん真剣に授業を受けており、頷きながら話を聞き、何かあればすぐ発言していました。授業後は必ず誰かが先生に声をかけ、環境問題についてお話されていました。
この講座は全部で4回あり、第1回は気候変動、第2回は消費活動(主にパーム油、スマートフォン、ファストファッションについて)、第3回は肉の問題、第4回は私たちができることや対策についてでした。環境問題というと、理系で測量、研究、化学物質といった印象がありましたが、この講座は私たちの活動がどのように環境に影響を与えているかに焦点を当てていました。私たちが日常的に行っている活動についてお話されていたので、とても分かりやすく、想像しやすい面白い授業でした。
衝撃を受けたり、興味深いと感じた箇所はたくさんありましたが、特に印象に残ったお話は、肉の消費が環境問題に影響を及ぼしているということです。畜産が気候変動に与える影響は、実は交通より大きく、早急に対策すべき問題です。この事実を私は全く知りませんでした。畜産のどのような事柄が環境問題の原因かというと、下記のようなことが挙げられます。
・牛が排出するメタン
・放牧地の拡大のための人為的火災
・大量の農薬使用
・糞尿による汚染
・飼育のための大量の穀物
そして、これらの背景には「工業畜産」があります。工業畜産の逆は伝統的畜産です。伝統的畜産は小規模で、人間が食べられない草を家畜が食べ、人間が食べられる食品に転換し、糞便は堆肥として使われる循環型の畜産方法です。このような畜産は環境への負担は少ないですが、値段が高くなってしまいます。より安い肉を作る、そのためには大規模で大量に効率重視の畜産方法が必要であり、生物に備わっているサイクルは無視された、非循環型の環境負荷が大きい工業畜産が行われるようになりました。つまり、人間のより良い生活を送りたいという欲求のために、畜産の環境問題が起きてしまったのです。
私はこの講座を受け、日々当たり前に送る生活や消費活動が環境問題に繋がっていることを映像や数値を通して目の当たりにし、自分が出来ることを探したくなったと同時に、もっと環境問題について学びたいと強く思いました。編入学のために受講しましたが、それ以上に学ぶことがたくさんあり、新たな知識や視野を身につけることが出来ました。何を目標、目的として環境問題を学ぶかも見えてきました。とても楽しく授業を受けることが出来ました。受講して本当に良かったです。
(文責:学生 20代・女性)
※今回受講の講座の紹介
http://www.second-academy.com/lecture/SOP16985.html
【受講体験レポートまだまだ募集中】
https://ssl.second-academy.com/second-academy/report2019/
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