「中村獅童ー伝統と傾ー」 四百年の歴史を受け継ぐ者
週末、五反田にある清泉女子大学のラファエラ・アカデミア1日講座「中村獅童-伝統と傾きー」を
受講してきました。
五反田の駅周辺とは全く異なる、丘の上の緑豊かな場所の由緒ある素敵な建物に迎えられ、
ワクワクドキドキで会場に入りました。
獅童さんは会場の後ろから入場され、
歌舞伎ファンの私は思わず、「よろずや!」と
掛け声をかけたくなるほど、黒色のロックなファッションで決まってました。
衣装もメイクもない「素の自分」で話をするのは
すごく照れると言いながら、
子役、あるいは10代の頃のご自分の女方の写真に
「きれいですね~」と会場を笑わせてくださいました。
ご自身も何回かおっしゃってましたが、今までのテレビとか映画の役柄のせいで、
武骨で、男らしいイメージを持っている人が多いと思います。
でも実は女方もやれる多様な演技力を持つ役者さんなのだと思いました。
小さい頃のお話で印象深かったのは、歌舞伎役者の家の子に生まれたから、歌舞伎を始めたのではなく、
舞台の衣裳や、メイク、見得に憧れてお稽古を始められ、
舞台に立った時はとても嬉しかったという話でした。
だから歌舞伎をとても愛されています。
今、いろんなテレビや映画、現代劇に出演しているのは
ひとえにご自分を知ってもらい、それをきっかけに
歌舞伎の舞台を見に来てほしいから。
という、熱い心意気がひしひしと伝わってきました。
実は私も獅童さんを知ったのはピンポンからですが、スバルの「正統派異端系!」の
コマーシャルでの白髪はすごく衝撃を受けました。
本当に異端児という形容がぴったりで、日本にもこういう役者さんがいるんだ!
と表現者としての獅童さんに目が離せなくなってしましました。
後半は門野泉学長との対談と受講者との質疑応答でした。
歌舞伎鑑賞歴60年の学長との会話や、会場の質問にも丁寧に答えてくださいました。
お忙しい中、予定の時間が過ぎても「せっかくだから」と最後まで質問にも応じてらしたし、
その答えも真剣で心に染みいるものがたくさんありました。
映画にもたくさん出演されてますが、実は一年の半分くらいは歌舞伎役者として、
全国の劇場で舞台にたってるというエネルギーはどこからくるんだろうと思います。
一回一回燃え尽き、一期一会を大切にして、全国の人に
「歌舞伎役者・中村獅童」を知ってもらうんだという意気込みで
お仕事をされてるそうです。
獅童さんの、周りの人やお客さんと一緒に感動しながら仕事をされてる姿勢や、
誠実な人柄がとてもよくわかる講演でした。
★☆この講座は清泉女子大学が行う東日本大震災のチャリティー講座でした。
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☆清泉女子大学「中村獅童 -伝統と傾きー」
http://www.second-academy.com/lecture/SSJ10749.html
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