清田(きよた)日記 ~ 男50歳からの資格取得<第2回>どうしよう~
田舎の求職事情は、地元の友人から聞いたものの、定年後Uターンするにしても
「どうやって暮らしていけばいいのだろう???」
当時55歳であった私は、まだすぐにUターンするわけではないものの、初めて自分の将来に漠然とした不安を抱いた。
『世界の中心で愛を叫ぶ!』のロケ地であった、我が故郷。しかし、仕事は無い。
地方都市の性(さが)なのか、安定しているところといえば行政機関ぐらいで、それとて働く場合は年齢制限がある。民間企業も求人に余裕のある話は無い。
「大企業に勤めてました。」と言っても、60歳を超えた人間を、喜んで雇ってくれるところなどないだろう。
60歳で田舎にUターンするとしても、65歳までは厚生年金も満足した状態にはならない。
「いっそ、65歳までは都会で暮らそうか。」とも考えたが、田んぼが気になった。
少なくとも親父が元気なうちに帰らないと、分からないことを聞くことも出来ない。
ある意味初めて自分の市場価値を考えた。
その結果、都会では少しは評価されるキャリアかも知れないが、田舎では殆ど(ほとんど)価値が無いことに気付かされた。
そして、自分のことを完全に棚にあげて、地方都市の持つ構造的な問題が、ここにあるようにまでに思った。
私が大学を目指していた高校時代。
香川県に四年制の大学は、国立大学が一校と、私立校が一校しかなかった。
全員が地元の大学に入れるわけもなく、多くの学生が、関東、関西の大学に進学するのが一般的で、大学を卒業した全ての学生が、地元香川県で就職することなどありえなかった。
肌感覚ではあるが、県外に出た学生の地元就職は、よくて半数程度ではなかろうか。
ちなみにこの傾向は、今も続いている。
多くの地元学生が魅力的な都会の会社に就職する状態が毎年続くことによって、活力ある地元民間企業が少ないことにつながっているような気がした。
地方における「少ない教育機関と元気な企業が少ないこと」は、相関関係有りとの理論である。
完全に話がそれてしまった。失礼しました。
私にそうした状況を改善する力は、全く無い。まさに非力である。
いま考えないといけないのは、「田舎において私の市場価値が無い。」ということだ。
結構長い間、自分に問いかける日々が続いた。
田んぼしながら貯蓄を切り崩して65歳までしのぐことも頭に浮かんだが、苦手な農作業だけでは自分がもたないと思って、専業農家は却下した。
商売を始めるにしても、心から燃える動機が無いと結果は火を見るよりも明らかと、
これまた却下。
本当に困った。自分の市場価値を証明するものが、全く無い。
「みんなが納得して評価できる価値。価値。」と考え続けている時にひらめいた発想は、「普通自動車の運転免許証」だった。
運転免許があれば、田舎でも運転は出来る。まさに客観評価の極み(きわみ)である。
そうした誰でも納得できる資格があれば、田舎でも活用できると思った。
私は、資格ビジネスを真剣に考えてみることにした。
ある意味、もうそれしか残っていないような気がしたし、とても短絡的な動機だが、直感的に「いける」と思った。
とは言え、
「どんな資格であれば食べていけるのだろう?」
「本当に資格で食べていけるのだろうか?」
まずは多くの情報を入手することから検討を始めた。
こうしておぼろげながら、自分の方向性が見えてきた。
次回は、「どんな資格を選ぶか?」を振り返ってみたい。
清田 一人(きよた かずと)
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