2010年07月 アーカイブ


千里金蘭大学レポート

7月7日、七夕の日にふさわしい!?大人な講座を体験してきました。

千里金蘭大学の『茶の湯から見る日本の文化史~茶道の文化史~』です。
講師の生形貴重教授は大阪の茶家生形朝宗庵のお生まれで、中世文学がご専門です。


今日の講座は10回シリーズの7回目。15世紀ごろの茶の湯文化の形成がテーマでした。
どうしてお茶の文化が形成されたかを、当時の時代背景にからめてわかりやすく話して下さいました。


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一番驚いたのは「お茶の文化も下剋上の文化だ」ということ。
室町将軍に任命された守護大名を、彼らに仕える立場の戦国大名が倒した下剋上の時代。

お茶の世界でも、かつては鑑賞の対象ではなかった道具が鑑賞の対象となるなど、まさに下剋上的に形成されていったのだそうです。


さらに私が興味を持ったのは村田珠光という人のお話。
社会科の資料集に載ってたっけな~という程度の知識しかなかったのですが、室町8代将軍足利義政にお茶を教えたといわれている人。
講座では彼の書いた『心の文』というものが紹介されました。
そこに書かれていたことは、現代でも通じる教育論。


●自分の力を過信して自由気ままにしたり、上手な者を妬んだり、初心者を見下したりするのはよくない。
●名人には教えを請い、初心の人は共に成長すべく教え育てるべき。
●初心者が一級品の道具を持って、自分こそ名人と思うのは言語道断。


ちなみにこの文の中で、確認されている限り初めて茶の湯を“道”と呼んだのが、この珠光さんだそうです。
久々の歴史の講義、知的好奇心がぐいぐい刺激され、気がつけば必死になってメモを取っていました。
快く授業に受け入れてくださった生形教授をはじめ、11名の受講生のみなさん、どうもありがとうございました!!

鎌倉と文学の魅力-川端康成らの鎌倉文士の活躍

先週末、「社会人のための大学フェアーinかながわ(第一弾)」に参加しました。


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学びたい社会人のために、約50の大学が、資料配布・個別相談を
受け付けるとともに、無料で「体験公開講演」が開催されます。


私が受講したのは、関東学院大学 富岡幸一郎教授の講義「鎌倉と文学の魅力-川端康成らの鎌倉文士の活躍」。約100名の受講生で会場はほぼ満員です。


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富岡先生の講義は、


夏目漱石、正岡子規、三島由紀夫等が露払い役として登場し、


源実朝と藤原定家の「幽玄」


鈴木大拙の『日本的霊性』


大佛次郎の『天皇の世紀』『鞍馬天狗』


川端康成の『美しい日本の私』、川端コレクション、魔物
  東山魁夷が京都を画いたのは、川端康成の薦めだったらしい。
  http://blog.second-academy.com/biz-blog/biz03/034/post_101.html


小林秀雄の『無常ということ』と、続きます。


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なにげなく参加したのですが、先生の話を聞くにつれ、ビジネス本や、ノウハウ本で毒された私の頭に、30年前の純な気持ちを呼び起こしてくださいました。そうでした、学生時代の私は、こんな本を読むのが好きだったです。


今日は、Amazonで3冊ほど取り寄せました。
それぞれの本の表紙を見るだけで、
なんとも、切なく、昭和の時代の純文学の香りがします


「社会人のための大学フェアーinかながわ」の
第一弾は終了しましたが、第二段が9月3日~5日に開催されます。
http://www.planet.pref.kanagawa.jp/fea/2010fea/2010fea_2.html

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