千里金蘭大学レポート
7月7日、七夕の日にふさわしい!?大人な講座を体験してきました。
千里金蘭大学の『茶の湯から見る日本の文化史~茶道の文化史~』です。
講師の生形貴重教授は大阪の茶家生形朝宗庵のお生まれで、中世文学がご専門です。
今日の講座は10回シリーズの7回目。15世紀ごろの茶の湯文化の形成がテーマでした。
どうしてお茶の文化が形成されたかを、当時の時代背景にからめてわかりやすく話して下さいました。
一番驚いたのは「お茶の文化も下剋上の文化だ」ということ。
室町将軍に任命された守護大名を、彼らに仕える立場の戦国大名が倒した下剋上の時代。
お茶の世界でも、かつては鑑賞の対象ではなかった道具が鑑賞の対象となるなど、まさに下剋上的に形成されていったのだそうです。
さらに私が興味を持ったのは村田珠光という人のお話。
社会科の資料集に載ってたっけな~という程度の知識しかなかったのですが、室町8代将軍足利義政にお茶を教えたといわれている人。
講座では彼の書いた『心の文』というものが紹介されました。
そこに書かれていたことは、現代でも通じる教育論。
●自分の力を過信して自由気ままにしたり、上手な者を妬んだり、初心者を見下したりするのはよくない。
●名人には教えを請い、初心の人は共に成長すべく教え育てるべき。
●初心者が一級品の道具を持って、自分こそ名人と思うのは言語道断。
ちなみにこの文の中で、確認されている限り初めて茶の湯を“道”と呼んだのが、この珠光さんだそうです。
久々の歴史の講義、知的好奇心がぐいぐい刺激され、気がつけば必死になってメモを取っていました。
快く授業に受け入れてくださった生形教授をはじめ、11名の受講生のみなさん、どうもありがとうございました!!