豊島新聞リレーエッセイ 「自由な声の自己表現について」 根來加奈
自由な声の自己表現について
表現において声は重要な要素です。まずはその人の自由で楽な声が出せる事が大切です。
ところが残念な事に、日本人はどうしても顎や首や喉に頼ってリズムを取ったり声を出したりします。これはおそらく言語(日本語)による影響が大きいのでしょう。
しかしそれではその人が持っている本来の良い声は出ません。それは極めて残念な事です。
自由気ままに歌を歌う…もちろんそれはストレス発散にはとても大切な事です。
しかし、ストレス発散と自由な自己表現は、必ずしもイコールではありません。
声は誰でも出せる分、逆に基本を学ばないと、その人本来の自由な声の自己表現は出来るようにはなりません。
では、声の原点とは何か?まずは呼吸。つまり息です。息が来ないと声は出ません。そして、声の「源」の点が必要です。そして楽器として成立するぶれない身体の鍛錬も必要となります。身体が楽器です。理屈(基本)に基づいて訓練した声は喉が楽で、自由な表現が出来るようになります。それはとっても気持ちが良いものです。
真に自由な自己表現が出来た時、それはその人にしか出来ない素晴らしい表現となり、それが真の藝術となるのです。
根來 加奈
(ソプラノ歌手・淑徳大学公開講座「楽しく声を出しましょう」担当)
→ 講師関連講座(2013年度春夏期)
「根來加奈ソプラノコンサート スプリングコンサート」
2013年3月29日(金)開講
「楽しく声を出しましょう ~声を出す秘訣を学ぼう~」
2013年4月8日(月)より開講
「楽しく声を出しましょう ~声を出す秘訣を学ぼう~」
2013年7月8日(月)より開講
(2013年02月28日)