豊島新聞リレーエッセイ 「ウォーキングで気分転換」 高田紀子
ウォーキングで気分転換
私がやっている書道は、賞状、熨斗袋、封筒等に小筆を使って墨液で書く実用的な書道です。
神経を集中して小さな文字を書くので、力を入れないようにしていても気が付くと猫背になり目を近づけて書いています。当然ながら肩も凝ります。そんな時は外に出てウォーキングをして気分転換をします。近所をぐるっと1時間位歩いて来ると肩の凝りもほぐれ頭もスッキリします。
普段は近所を歩いているだけですが、昨夏は念願だった屋久島に行きました。屋久島は九州の南に浮かぶ円形の島です。島の中央には2千メートル級の山がそびえていて洋上のアルプスとも言われています。
早朝暗いうちからホテルを出て、登山口から縄文杉までの往復22キロ、11時間の縄文杉トレッキングに挑戦しました。樹齢千年を超えた杉だけが屋久杉と呼ばれるのですが、その中でも象徴的な杉が縄文杉です。前半8kmのトロッコ軌道、残り3kmの辛い山道を暑さと疲労でクタクタになりながら辿り着いた私を縄文杉は悠然と迎えてくれました。ここにはここだけの時間が流れているのだと感じられました。
朝6時から歩き始めて登山口まで戻った時は夕方の5時になっていました。体力的にも精神的にも大変な登山でしたが、二度とない貴重な経験ができたと思います。これからも日常生活の中にウォーキングをとり入れていこうと思っています。次はどこに行こうか、地図を見ながら考えるのも楽しみの一つです。
高田 紀子
(日本賞状書士育成センター講師・淑徳大学公開講座「賞状書士講座」担当)
→ 講師関連講座(2013年度春夏期)
「小筆で学ぶ実用書道~賞状書士講座~」
2013年4月2日(火)・開講
(2013年02月14日)