大学公開講座のセカンドアカデミー

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地名変更に思う   笠原 紀子

 我が家の菩提寺は向島の言問橋の近くにある。今話題の、建設中の電波塔「東京スカイリー」の御膝元に位置する。東武浅草線「業平橋駅」が、スカイツリーも我が家の菩提寺も一番近い駅となる。

 先日友人がお子さんと一緒に墓参りにきてくださった。結婚式に参列するために沖縄県久米島から上京し、その折に尋ねてくださったのだ。墓参の後、スカイツリーを見るために「業平橋駅」に行ってみた。友人は、スカイツリーを見るのは初めてとの事。一緒に来た小学四年生のお嬢ちゃんも楽しみにしていたようだ。

 駅を通り過ぎて東武橋から望むのが絶景ポイントとなっている。私たちもその橋の上から見学した。遠くから見るのとは大違いで、間近に見るとやはり大きい。圧巻だ。先日、自立式電波塔としては世界一の高さを記録しただけのことはある。タワー全体をバックに写真を撮ろうとしても、あまりに高くなりすぎて、ファインダーに収まりきれない。仕方なく橋の隅にしゃがんでカメラを縦にし、ようやく顔だけファインダーの下ギリギリ収まった。今度訪れたときは、広角レンズか魚眼レンズがない限り全体を撮るのは無理だろうと思った。

 ところでこの「業平橋駅」という駅名は、スカイツリーが完成する二〇一二年春には「とうきょうスカイツリー駅」と変更されるそうだ。周辺も大幅にリニューアルされ、商業施設やオフィス施設などを加え、「東京スカイツリータウン」となるらしい。

 地元の活性化を狙って駅名も変更することは多々あるが、「業平橋」という名称が消えてしまうのは寂しい気がする。そもそも「業平橋」は近くに架かる「吾妻橋」に由来する。在原業平を主人公とした『伊勢物語』の中にこの付近を舞台とした「都鳥」があり、「吾妻橋」の別称として業平橋の名称を用いたとされている。そのような由緒ある名称が無くなることに一抹の寂しさを感じる。

 名称変更といえば、わが文京区も昭和四十年代に住居表示の改正により多くの町名が消えた。町名の由来は様々で、武家屋敷からとったもの(同心町、森川町、金助町)、社寺名からとったもの(第六天町、妻恋町、駒込富士前町)。歴史上の人物「春日の局」から「春日町」。五代将軍綱吉が将軍になる前に別邸として使用していた御殿のあった「白山御殿町」(白山御殿はその後廃止され小石川養生所となり、現在は東京大学付属植物園として残っている)。梅で有名な湯島天神町、湯島梅園町などなど。まだまだ意味ある地名は数知れない。「弥生式土器」の名称の由来は、東京大学のある本郷弥生町から発掘されたことから、その地名にあやかって名づけられた。樋口一葉が住んでいた本郷菊坂下町には、まだ当時を偲ばせる共同ポンプ井戸が残っている。夏目漱石、森鴎外、石川啄木など今この地に帰ってきたら、きっと迷子になってしまうだろう。

 このように、地名一つでその地域の当時の様子や文化などを伺うことできたのだが、世代が変わるにつれ、地名も忘れ去られていくのかと思うと、何とか残すことは出来ないだろうかと思ってしまう。しばし昔に思いを馳せ、郷土を思い、一層の郷土愛を培うことも大事なことではないだろうか。何でもかんでもカタカナ名称にしてしまう時代から脱却し、今一度日本古来の意味ある名称を残すことが、すなわち日本の心を大事にすることに繋がるのではないだろうか。駅名の変更のニュースを見てそう思った。

*『文京の町名由来』(文京区教育委員会発行 戸畑忠政編)参照

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(2011年07月26日)

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