GODIVAのチョコの思い出 笠原 紀子
今日は聖・バレンタインデー。
毎年この日はGODIVAのチョコを主人に贈るのが通例になっていた。
アルコールは相当いける主人。〝酒豪〟という名にふさわしかった。にもかかわらず、甘いものにも目がなかったのだ。特にGODIVAのチョコは大のお気に入り。そこで何時からか、「バレンタインデーにはGODIVA のチョコ」と決めるようになっていた。それもハートの形をしたホワイト味とミルクチョコ味の二種類だけを、結婚年数分の数だけ毎年プレゼントしていた(節分のお豆みたい)。いつの間にか数が増え、化粧箱の一段で入りきれなくなり、二段重ねの化粧箱に入れるようになった。
女子社員さんからも頂くが、それには手をつけずいつも私のチョコを食べていた。目を細めながらおいしそうに頬張っている姿は、今でも目に焼きついている。沢山頂いたチョコを胃の中に整理する私はおかげ様でやせる暇がない……。
病気が進行してからは、さすがに結婚年数分のチョコを贈るのはやめたけれど、その時はGODIVAのハートのチョコを楽しんでくれていた。
先日GODIVAの店頭を覗いてみたら、なんと、一粒で二度おいしいダブルフェイスのハートのチョコが新発売になっていた。早速五個入りを購入し、仏壇の前にお供えした。珍しそうにチョコを眺めて、またまた目を細めて、おいしそうに頬張るあなたの顔が目に浮かぶ。
その顔を思い出し私の心もほっと暖かくなる。
(2011年06月24日)