「雑司ケ谷を散策」 関戸堯海
淑徳大学の公開講座で雑司ケ谷を散策しました。池袋駅東口のサテライトキャンパスから歩いて十分ほどのところに法明寺があり、鬼子母神のお堂は、その寺域の一角です。立正大学名誉教授の渡辺宝陽先生の引率で、二十名ほどの方々と法明寺の近江正典住職の話を聞きました。
鬼子母神はインドの夜叉(鬼神)で、たくさんの子供がいましたが、乱暴な性格で村人の子供をとって食べていました。お釈迦さまは、その過ちから救おうと考え、その末の子を隠したのです。鬼子母神の嘆き悲しむすがたは限りなく、お釈迦さまは「千人のうち一人いなくなってもそのようです。大切な一子を失った父母の悲しみはどれほどでしょうか」といましめました。
それから鬼子母神は子育て安産の神となることを誓い、人々に尊崇されるようになったのです。お堂の鬼子母神像は、近くの清土(文京区目白台)の光り輝く土中から掘り出され、星の井(三角井戸)で清められました。霊験が顕著な尊像として知られます。
雑司が谷七福神の会発行の「歴史が薫る・雑司が谷七福神」という地図があります。江戸時代の古地図も掲載しており、歴史散策には便利で貴重な手引きとなります。
関戸堯海(淑徳大学公開講座「法華経講座」担当講師・立正大学日蓮教学研究所研究員)
(2011年02月07日)