大学公開講座のセカンドアカデミー

大学公開講座のセカンドアカデミー

淑徳大学エクステンションセンター ~池袋を拠点とした講座の情報発信~

淑徳大学エクステンションセンターからの新着情報のご案内やオススメ講座のご紹介、受講者の作品集などをご紹介していきます。公開講座探しのお役に立ててください。

<お問い合わせ> エクステンションセンター公開講座担当 : Tel. 03-5979-7061

淑徳大学

大学の特色を生かした福祉、文化、経営講座の他、日本古典文学、日本史などを中心に開講。書道や中国文学などの公開講座も

担当課のご紹介

担当課のご紹介写真

淑徳大学エクステンションセンターでは、公開講座や各種イベントを企画・実 施しています。このブログではそれらを紹介するとともに、その裏側?にも迫っ てみたいと思います。そして、できれば淑徳大学の講座・イベントに興味を持っ ていただき、参加していただければ幸いです。

facebook

カテゴリー

  • 公開講座情報
  • 作品のご紹介
  • オススメ講座
  • 参加者アンケート

最近のエントリー

  • 働いている方にオススメ 2016年4・5月スタートの土曜講座一覧です。
  • 働いている方にオススメ 2016年4・5月スタート夜間講座です!
  • 働いている方にオススメ 2015年12月スタート夜間講座です!
  • 働いている方にオススメ 2015年12月~1月スタート土曜講座です!
  • 働いている方にオススメ 2015年10月スタート土曜講座です!
  • 働いている方にオススメ 2015年10月スタート夜間講座です!
  • 2015秋期講座 10月からのオススメ講座
  • 平成27(2015)年度夏期・秋期・冬期公開講座の情報を掲載しました
  • 淑徳大学公開講座 創作集 No.7
  • 淑徳大学・板橋区教育委員会共催公開講座のご案内
  • 東京の大寺ー大乗仏教のこころ

リンク

  • 淑徳大学
  • 淑徳大学公開講座

「年末に旅する」 山田喜美子

年暮れぬ笠着て草鞋(わらじ)をはきながら 芭蕉
芭蕉の四十代は旅に次ぐ旅であった。そして五十一歳の初冬、旅先の大坂で亡くなった。冒頭の句は、四十一歳の年末を故郷伊賀上野でむかえた時の句である。江戸に住むこと十余年にして「秋十(と)と世却て江戸をさす故郷」の句を読んだ芭蕉にとって、故郷の空も旅の空であったか。
この三年後の年の暮れは、名古屋だった。

旅寝よし宿は師走の夕月夜
旅寝して見しやうき世の煤(すす)はらひ
俗世間の義理や義務から解放された気安さと、果たす務めのない世捨人の寂しさ、孤独感がある。世間の人は、年の暮ともなると、大掃除をし、帳簿の始末をし、正月を迎える準備に追われる。しかし、それを果して迎える正月こそ心安まるものがあるだろう。旅する漂泊者、僧ならぬ僧形の世捨人には、そのいずれも無縁である。その境涯を自ら求めて、ただ一筋俳諧の道につながった芭蕉であるが、年末年始という、この「定めなき世の定め」に遇って、思うところがあったのだろう。さらに二年後「おくのほそ道」の旅を終えた芭蕉は、近江の膳所で年を越し、四七歳の正月を迎える。

薦(こも)を着て誰人(たれびと)います花の春
自ら薦をかぶった乞食になる心がけで「おくのほそ道」の旅に出た芭蕉の、正月に晴れ着ならぬ薦を着た乞食こそ尊しとする心境を表わしている。
年末に旅をするのは、俗世と縁を切った者の特権であろうか。その特権を得たものは、俗世のあわただしい活気からポツンと除け者にされた寂しさを引き受け、味わうのである。
                      
山田 喜美子(俳諧史研究家・淑徳大学公開講座「おくのほそ道」「徒然草」担当)

(2011年01月28日)

公開講座検索のセカンドアカデミー

Copyright 2010 Second Academy CO.,LTD All rights reserved.