「パリでのヴェネツィア幽玄」 中村浩美
二0一0年九月末発刊の、ワインのアートラベルを収録した美術専門書籍「Paris芸術生誕録~翠輝くベルシーの地で結ばれし日仏の絆~」(日・仏二カ国語仕様)に作品を発表することになりました。
書籍発行に伴い、ヨーロッパ文化遺産の日にあたる二0一0年九月一九日にパリ・ベルシー美術館にて出版記念レセプションが行われ、あわせて作品ラベルのパネル展示も行われます。せっかくの機会と思い立ち、このレセプションに参加してまいりました。
かつてのワイン蔵を改装したベルシー美術館です。いったい中はどうなっているのかとワクワクしながら敷地内へ…そこはまさしく書籍のサブタイトルにあるように翠多き庭園が広がる、魔法と幻想の世界でした。
建物群はそれぞれテーマを持ったパヴィリオンで、実際に活躍した 100歳以上のメリーゴーランドや木馬が出現する(しかも実際に乗ることができる!)「回転木馬美術館」、神話や伝説の世界を音響と視覚効果により夢幻的な映像を見せてくれる「驚異の劇場」などで、「ヴェネツィア・サロン」と名付けられたパヴィリオンも!ここにはリアルト橋が現れ、装飾された儀式用のゴンドラが動き、天空には着飾って仮面をつけた紳士、淑女や道化師たちが舞い踊る…時代が遡ったようなヴェネツィアの一場面でした。
どれもが大人も楽しめる真の遊戯空間で、うっとりした気分を味わいました。その後庭園で行われた出版記念レセプションでは、作品ラベルの張られた赤ワインをいただき、さらに夢の世界に浸ったのは言うまでもありません!
中村浩美(淑徳大学公開講座「ヴェネツィアンアクセサリー」担当)
(2011年01月07日)