豊島新聞「リレー東京歳時記」
収穫の秋は静かな気功を始めるとよい
秋は容平(ようへい)といい、万物が成熟して結実し、容(かたち)が平定することを意味する。夏を過ぎ、疲れが出る時期で、消耗を減らし栄養を沢山とり、気持ちを静かに落ち着ける事が大事。
秋気は「燥」で、人の咽喉を乾燥させ、肺の機能が低下しやすい。秋の色は「白」。
白い物は肺の気を高め、大腸・鼻・呼吸器によい。大根・カブ・長イモ・モヤシ・大豆・梨など、白い食べ物を摂って、肺の働きを促進させると、皮膚の活性化につながり、美肌・美白効果がある。
秋の養生法は、第一に、早寝早起きし、パワーを溜める。第二に、早めに厚着しないこと。布団などでもしばらく薄めの布団を続ける。第三に、秋は外の風にあたらないように注意し、早めに家の中に入るようにして、気功法も家の中が適している。第四に、気功鍛練により、侵入する外邪に打ち勝つ体の抵抗力をつける。呼吸法・たんとう(立禅)・瞑想などがよい。
取分、体も心も生まれ変わり奇跡が起こる「古仙人法(こせんにんほう)」と呼ばれる背骨(おなか)を回す「撼天柱(かんてんちゅう)」がおすすめ。続ければ多くの病気や症状に効く。
「撼」は回す、「天柱」は背骨のこと。あぐらかイスに座り、舌を上顎につけ、へその真裏にある命門(めいもん)のツボを軸に背骨を回し、同時におなかも回し、へその下にある丹田(たんでん)に気が集まり、内臓のあんまになる。左回り三十六回→瞑想→右回り三十六回→瞑想、心地良く動作に呼吸を合わせ、雑念がなくなり、心と体がリラックスし、心の静けさを保つことを心がけよう。
服部茂夫(淑徳大学公開講座「気功」講師)
(2010年09月10日)