”歳時記”
関戸堯海(立正大学日蓮教学研究所研究員)
JR池袋駅東口からすぐ、淑徳大学サテライトキャンパスにて、立正大学名誉教授の渡辺宝陽先生と公開講座を担当しています。「名句でよむ法華経のおしえ」という講座ですが、熱心な聴講の方々と一緒に、楽しく勉強しています。
法華経は、文学的にもすぐれていて、源氏物語に取り上げられるなど、日本文化に大きな影響を及ぼした経典です。
あわせて、寺院とその周辺を歴史散策しています。池袋駅の近くに雑司ヶ谷鬼子母神があります。子育て安産にご利益があり、とくに江戸時代には多くの参詣者でにぎわっていました。おもちゃの風車や、みみずくの麦わら細工などが知られています。今は、ビル群の真ん中にありますが、直角に折れ曲がる参道の街路は、江戸名所図会そのままです。けやきの並木も健在で、往時がしのばれます。
こんどは、松戸の平賀本土寺を参詣します。水戸街道から枝分かれした参道は、今は常磐線に分断されていますが、松や杉の大木が連なり、東京国立博物館所蔵の五街道絵図そのものです。起伏に富んだ地形と、桜・かえでの美しさはことさらです。紫陽花や菖蒲で有名なお寺なので、歴史散策による知的満足を得られると同時に、季節の花々と緑の木々の美しさを楽しめると思います。
(2009年01月06日)