豊島新聞リレーエッセイ「東京歳時記」
人気の歴史散策
関戸堯海(立正大学日蓮教学研究所研究員)
最近は、ウォーキングや歴史散策に人気があるそうです。上野の東京国立博物館の〔スリランカ・輝く島の美に出会う〕の展覧会に行きました。本館地下のミュージアムショップに立ち寄ると、古寺巡礼に関する本が多いのにビックリしました。それから、江戸東京博物館の〔浅草今昔展〕に行きました。ここでも、江戸の古地図をもとにした歴史散策の本が多くて、再びビックリしました。
淑徳大学公開講座で「名句でよむ法華経のおしえ」を立正大学名誉教授の渡辺宝陽先生と担当し、各季ごとに古寺巡礼(史跡散策)を実施しています。JR池袋駅東口すぐ、淑徳大学サテライトキャンパスには、真摯に学ぶ聴講の方々が集まってきています。みなさん由緒ある寺院や、風光明媚な史跡に興味をお持ちのようです。
十二月十日には、鎌倉の霊跡本山妙本寺を参拝し、日蓮聖人の辻説法の跡地を見学する予定です。このあたりには、ご草庵があったといわれます。そして、名越の切り通しは、東関東・房総との交易の要衝で、人通りが多かったそうです。布教の拠点として最適で、このような史実を知るためには、下調べと現地の見学が重要です。
また、仏教の経典の内容を知った上で、寺院や史跡を見学することによって、さらに深く理解することができるでしょう。
(2008年12月10日)