豊島新聞リレーエッセイ
「端午節」
小川博章 淑徳大学国際コミュ二ケーション学部准教授
日本ではゴールデンウィークに組み込まれている端午節。少し窮屈そうではありますが、マンションのベランダを泳ぐ鯉のぼりにも、子供の成長を願う親の気持ちを伺うことができて嬉しい風景でした。
端午節のルーツにも色々な伝説がありますが、何といっても中国戦国時代の憂国詩人屈原の故事が最も有名で、粽やボートレースも屈原伝説から始まったものです。鯉のぼり、菖蒲、蓬、粽など端午節に関するもののほとんどは中国をルーツとしています。日本の端午節と異なるのは、カジュマロ、蘭、桑の実、桃、杏、五毒餅(餡を包んだ餅で、蛇、サソリ、ムカデ、トカゲ、蝦蟇が表面に描かれている)などでしょうか。その理由は、初夏になると雨のため湿度が高く、害虫や疫病が流行るので、その邪気を払う習慣から起こったもののようです。
はて、ゴールデンウイークの頃ってそんなにジメジメしていたでしょうか。五月の爽やかな風が心地よい季節とばかり思っていましたが、、、、。そうです。本当の端午節は旧暦の五月五日。今年は六月八日に当たります。確かに入梅のジメジメとした季節ですね。
(2008年09月16日)